大阪地方裁判所 昭和45年(わ)4208号 判決 1971年12月24日
本店の所在地
大阪市北区神山町四四番地
商号
株式会社 山下組
代表者氏名
中野常三郎
代表者の住居
西宮市城山町二の二七号
本籍
大阪市北区神山町四三番地の一
住居
西宮市城山町二の二七号
株式会社山下組代表取締役
中野常三郎
明治三八年九月一八日生
右被告人株式会社山下組、被告人中野常三郎に対する法人税法違反被告事件について検察官佐々木信幸出席のうえ審理を遂げ、次のとおり判決する。
主文
被告人株式会社山下組を罰金一、五〇〇万円に、被告人中野常三郎を懲役一〇月にそれぞれ処する。
この裁判確定の日から一年間被告人中野常三郎に対する懲役刑の執行を猶予する。
理由
(罪となるべき事実)
当裁判所の認定した罪となるべき事実は起訴状に記載された公訴事実と同一であるからここにこれを引用する。
(証拠)
一、北税務署長作成の証明書三通
一、被告人株式会社山下組の商業登記簿謄本および定款写
一、被告人株式会社山下組の法人税再修正申告書三通の写
一、中野隆雄(四通)、筒井米蔵(二通)、の収税官吏に対する質問てん末書
一、中野隆雄(二通)、筒井米蔵(三通)、の検察官に対する供述調書
一、大和銀行梅田支店(三通)、福徳相互銀行梅田支店、住友銀行西宮支店の大阪国税局に対する回答(通数の記載のない分は一通ずつ)
一、大和銀行梅田支店(四通)、大和銀行梅田支店相談係、住友銀行西宮支店次長、同支店取引先係作成の確認書(通数のない分は一通ずつ)
一、収税官吏作成の臨検捜索てん末書、領置てん未書各一通
一、押収にかかる総勘定元帳一冊(昭和46年押第668号の1)、同一冊(同号の2)、専務の手帳(同号の3)、取下メモ綴一冊(同号の4)、出納簿一二綴(同号の5)、外注先別支払明細綴一九綴(同号の6)、鉄筋部支払控一綴(同号の7)、四四年度給料支払明細一綴(同号の8)、四五年度給料支払明細(同号の9)、工賃支払台帳二綴(同号の10)、集計表綴一綴(同号の11)、賃金台帳一綴(同号の12)、賃金台帳一綴(同号の13)、集計表綴一綴(同号の14)、賃金集計表綴一綴(同号の15)、集計表綴一綴(同号の16)、賃金台帳集計表一綴(同号の17)、源泉徴収簿一綴(同号の18)、収支明細表一綴(同号の19)、集計表綴二綴(同号の20)、賃金支払台帳一綴(同号の21)、工賃支払台帳一綴(同号の22)、工賃支払台帳一綴(同号の23)、同一綴(同号の24)、同一綴(同号の25)、工賃支払明細帳一綴(同号の26)、門真倉庫廃材売上除外原始記録一綴(同号の27)、源泉徴集簿二綴(同号の28)、同一綴(同号の29)、(株)山下組45、/期元帳綴一綴(同号の30)
一、被告人中野の収税官吏に対する質問てん末書一通、検察官に対する供述調書二通
(法令の適用)
犯罪事実につき
被告人株式会社山下組に対し
各事業年度ごとにそれぞれ法人税法一五九条一項、一六四条一項
被告人中野常三郎に対し
各事業手交ごとにそれぞれ法人税法一五九条一項(いずれも懲役刑選択)
被告人山下組に対する罰金額の合算につき
刑法四五条前段、四八条二項
被告人中野に対する懲役刑の併合罪加重
刑法四五条前段、四七条本文、一〇条(犯情の最も重い起訴状公訴事実第二の罰の刑に加重)
被告人中野に対する懲役刑の執行猶予につき
刑法二五条一項
(裁判官 石川哲男)
昭和四五年一二月二四日付起訴
公訴事実
被告人株式会社山下組は、大阪市北区神山町四四番地に本店を置き、建物解体、斫工事及び鉄筋工事の請負施工等を業とするもの、被告人中野常三郎は、右株式会社山下組の代表取締役としてその業務全般を統轄しているものであるが、被告人中野常三郎は、被告人株式会社山下組の業務に関し、法人税を免れようと企て、
第一、被告人株式会社山下組の昭和四二年二月一日から昭和四三年一月三一日までの事業年度において、その所得金額が九一、七六九、九二〇円、これに対する法人税額が三一、九〇九、一〇〇円であるのにかかわらず、公表経理上収入金の一部を除外し、労務費等を架空計上する等の不正な方法により、右所得金額中七九、〇〇八、四五二円を秘匿したうえ、昭和四三年三月三〇日大阪市北区北税務署において、同署長に対し、右事業年度の所得金額が一二、七六一、四六八円、これに対する法人税額が四、二五六、三〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、よつて同年度分の法人税二七、六五二、八〇〇円を免れ、
第二、被告人株式会社山下組の昭和四三年二月一日から昭和四四年一月三一日までの事業年度において、その所得金額が一二八、三八四、五八四円、これに対する法人税額が四四、七一六、八〇〇円であるのにかかわらず、前同様の不正な方法により、右所得金額中一〇四、一五一、八二六円を秘匿したうえ、昭和四四年三月三一日前記北税務署において同署長に対し、右事業年度の所得金額が二四、二三二、七五八円、これに対する法人税額が八、二六三、六〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、よつて同年度分の法人税三六、四五三、二〇〇円を免れ、
第三、被告人株式会社山下組の昭和四四年二月一日から昭和四五年一月三一日までの事業年度において、その所得金額が一三七、七九四、八九四円、これに対する法人税額が四七、九三〇、〇〇〇円であるのにかかわらず、前同様の不正な方法により、右所得金額中九七、八三七、一三〇円を秘匿したうえ、昭和四五年三月二八日前記北税務署において、同署長に対し、右事業年度の所得金額が三九、九五七、七六四円、これに対する法人税額が一三、六八七、一〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、よつて同年度分の法人税三四、二四二、九〇〇円を免れ
たものである。